南・西東京
【感謝報告】外国にルーツのある子どもたちのサマーキャンプ2024
多文化共生スペース▽(さんかく)では、昨年度に引き続き、外国にルーツのある子どもたちを対象に8月23日から25日の期間、山中湖センターでサマーキャンプを実施しました。
参加者30人の内、20人分を山中湖100周年事業の「キャンプ100人招待プログラム」の第4弾として招待しました。また、プログラムは東京YWCA武蔵野センターの「いちごの部屋」と合同で行いました。
近年、在留外国人の人数は年々増加しています。コロナ期間には減少もありましたが、様々な理由から移住してくる子どもたちも増えています。親の就労や国際結婚など、背景は色々とありますが、多くの子どもが言葉の違いから「言語の壁」、教育システムや社会の「制度の壁」、そして文化や習慣の違いによる「心の壁」に直面しています。東京YMCAでは、こうした子どもたちの居場所づくりに取り組むため昨年度よりプログラムを行っています。
今回のサマーキャンプには、ウクライナ、リベリア、パキスタン、モンゴル、ネパール、インドネシア、オランダ、中国、韓国にルーツのある小・中学生の子どもたち30人と、学生・社会人のボランティア16人が参加しました。ボランティアの中には、同じく外国にルーツのある人や、違う文化の中で生活をする経験のある人もいました。
キャンプの中では、多様な背景を持つ仲間が一緒に、心地よく過ごすために工夫もしました。視覚情報ややさしい日本語を使用した伝え方は、事前研修も踏まえ意識をしました。宗教食の対応や個室のシャワー室の利用など、キャンプ場のスタッフの理解も欠かせません。同じ言語を話す別のグループの仲間が言葉のサポートをしたり、学校での困りごとや異なる文化に入って直面したことなどの共通の話題で盛り上がったり、同じ境遇を体験している子どもたち同士だからこその視点も、温かなキャンプコミュニティーの構築に大きく関係しました。
みんなで協力して漕いだビックカヌー、夜の花火や、キャンドルファイヤー、それぞれのチョイスで楽しんだハイキングやクラフト、そして新たに設置された山中湖センターのアーチェリーやクライミングなど、2泊3日の限られた時間を楽しみました。
キャンプは、国籍やルーツ、言語、性別、宗教、文化、その他多くの違いを超え、互いに心を開き過ごせる場になります。始めは緊張していても、プログラムを通して段々と深まっていく子どもたちの関係性を、一番近くで見て感じられたのは大きな喜びです。みんなで歌った『世界中の子どもたちが』の歌声が、食堂に響いた時はまさに心の動いた瞬間でした。
多くの方の支援で、このプログラムが実施できたこと、子どもたちにとって貴重な体験の場が作られたことに深く感謝をいたします。
※キャンプの様子は、Instagram(@tokyoymca_sankaku)・Facebookページ『多文化共生スペース(さんかく)』にも投稿が上がっています。ぜひご覧ください。