ニューヨークに住む日本人が増えていった1970年代、さまざまな文化不適応の問題が生じたことから東京YMCAは1979年、ニューヨークにスタッフを派遣。現地YMCAの協力を得ながら、在米日本人を対象としたキャンプや水泳、フィットネスなどの活動を始めました。それから40年余、この「東京―NYフロストバレーYMCAパートナーシップ」は、ニューヨーク近郊の日本人家族を支援し、また日米の相互理解を目指して活動を続けています。
現在では毎シーズン300人以上の子どもたちが、北米屈指のフロストバレーYMCAのキャンプ場に集い、日本語で行うキャンプを満喫しています。転勤などでアメリカに来た子どもだけでなく、アメリカで生まれ育った国際結婚家庭の子どもたちなど、日本にゆかりのあるさまざまな子どもたちが参加しています。「久しぶりに日本語で話せてうれしかった」「キャンプ中に日本語を覚え、日本の祖父母と話せるようになった」「アイデンティティーに悩んでいた娘が同じ境遇の仲間に出会えて前向きになれた」など、2つの文化の下で暮らす子どもたちの切実な感想が寄せられています。
フロストバレーYMCAは、ニューヨークから車で3時間ほどのキャッツキル自然保護区域内に位置し、山手線一周以上の面積がある広大なキャンプ場です。敷地内には鹿やビーバーなどの動物にも出会えるほか、約40頭もの馬がいるホースバーンや天文台などの設備も充実しており、日本ではなかなかできない体験ができます。
東京YMCAは、1979年以降継続してスタッフを派遣し、春、夏、秋、冬のキャンプのほか、中高生のグループ活動や週末の日帰りキャンプなど、年間を通じてさまざまなプログラムを提供しています。