メソジスト派キリスト教のミルドレッド・アン・ペイン宣教師は、関東大震災後の日本にあって、極貧の地域にこそキリスト教精神の教育福祉施設が必要だと考えました。当時、足立区周辺地域には戸籍がないので学校にもいけず、放置されたまま貧しさの連鎖につながる子どもたちも多く、ミス・ペインは、この子どもたちにこそ教育が必要だと考えました。子どもたちに栄養のある食事を与え、教育を受けられるようにするということを使命として、ミス・ペインは「愛の家」「恵の家」「光の家」を設立しました。1962年までこれらの施設で園長をつとめて、子どもたちの世話をしました。
1990年、「貧しい子どもたちに栄養と教育を」という設立理念は役割を終えた、として、福祉教育施設としての「愛恵学園」は閉鎖しましたが、木造校舎のうち「愛の家」が「足立区愛恵まちづくり記念館」として存続することが決まりました。愛恵学園は「公益財団法人 愛恵福祉支援財団」となって本拠地を東京都北区中里に移転しました。現在は、「愛恵エッセイ賞」の他、福祉を学ぶ学生におくる「ペイン記念奨学金」、福祉を担う人材を育成するための海外研修、講座、講習会などの活動を行っています。