杉並
ウォーキングのご案内~美的百姓″蘆花″が愛し遺した武蔵野~(WHO)6/22
「ウォーキング・ホリデー・オギクボ(WHO)」は、月に1度、東京近郊を歩く会です。 健康作りや仲間作りを目的に1997年に開始。以後20年余、会員ボランティアが中心となって、欠かさず開催しています。
第231回となる2019年6月は、蘆花恒春園と祖師谷公園を仙川に沿って歩きます。
どうぞお気軽にご参加ください。
==【2019年6月のご案内】==
明治32(1899)年に小説『不如帰』を出版し、一躍人気作家となった徳冨蘆花は、明治40年、40歳で北多摩郡千歳村字粕谷(現在世田谷区粕谷)に移住し、晴耕雨読の生活を始めました。58歳で没するまで、己の信じる道を歩むがゆえに波乱と衝突の多かった人生の中で「台風の眼」ともいえる穏やかで幸せな日々だったようです。(中野好夫著書より)
作品『みゝずのたはこと』に残された彼のワールドを、彼と夫人を記念する蘆花恒春園あたりで見つけましょう。
併せて、色濃くなった緑の東京教育大学の農場跡の祖師谷公園を仙川に沿って歩きます。6月の花々を観ることができます。
都立祖師谷公園を横切る仙川 |
徳冨蘆花が美的百姓の日々を過ごした 蘆花恒春園の竹林 |
都立祖師谷公園を横切る仙川 |
徳冨蘆花が美的百姓の日々を過ごした蘆花恒春園の竹林 |
【日にち】2019年6月22日(第4土曜) 9:45~14:30頃
【コース】京王線/千歳烏山駅南口⇒<バス>⇒駒大グラウンド前⇒神明社⇒都立祖師谷公園⇒安穏寺⇒蘆花恒春園(雑木林・蘆花記念館・旧居)⇒世田谷文学館⇒京王線/芦花公園駅
*当日、コースの一部変更をすることもあります
【集 合】京王線/千歳烏山駅(新宿駅寄り)南口改札前 9:45
*トイレはホームの中です
【解 散】京王線/芦花公園駅 14:30
【持ち物】弁当、飲料、敷物、雨具、名札
*弁当は必ず出発前に用意してください。
【参加費】300円
*初参加の方は、名札代200円別途。
*施設入場料、交通費は別途
【問合せ】東京YMCA杉並センター
*事前の予約は不要です。現地に集合ください。
*ご不明な点などありましたら、下記フォームからご連絡ください。問合せフォーム
【今回のみどころ】
千歳村粕谷:蘆花が移住した時には京王線がなく、大正2年になって開通し、高井戸駅として設けられた。昭和13年、蘆花公園が開園し、同14年に芦花公園駅と改名した。昭和30年くらいまであった、村の道、田川など、当時の姿は開発によって失われている。
都立蘆花恒春園:『不如帰』『自然と人生』などの名作を残した明治・大正期の文豪、徳冨蘆花と愛子夫人が晩半生を過ごした邸宅とその後周辺を買い加えた公園。蘆花の10年忌に、夫人から家屋、耕地、遺品いっさいを寄贈された東京市は、武蔵野の風景の保存に務めた。恒春園部分には、蘆花の旧宅、夫人住居、蘆花記念館、夫妻墓所、竹林などがあり、開放区域には、雑木林に加え、花壇、ドッグランなどもある。
都立祖師谷公園:戦前は防災緑地。東京教育大学の農場とその後の買収で都立公園となった。仙川が横切る、なだらかな斜面と、花が咲き乱れる公園。
世田谷文学館:全国的にも来館者が多い公立の文学館。企画展には定評がある。今回は、ミステリー作家の仁木悦子のコレクション展と、『サイボーグ009』『仮面ライダー』などのヒット作で知られる石ノ森章太郎展が開催中。常設展示はなくなった。Cafeどんぐりは、クールダウンに最適。
石ノ森章太郎:高校生時代に手塚治虫にスカウトされた。万物を表現できるメディアとしての「萬画」を提唱した鬼才。今回の「ダビンチを目指した男展」は、希望者で観覧。
【6月のコースの下見から】
6月は、徳冨蘆花が愛した武蔵野の面影を探しながら、蘆花恒春園に訪れ、最後に世田谷文学館で仕上げるつもりでした。ところが、街は高層のマンションが立ち並び、世田谷文学館であてにしていた蘆花の常設展『農村の風景』も、ビデオブースの『蘆花が愛した田園生活』もなくなっていました。でも、かえって、恒春園で、初夏の武蔵野の風情や才媛・愛子夫人が整理した記録や遺品、蘆花の人柄をしのばせる事物をゆっくりじっくり味わえると思い直しました。もし時間があれば、事前に『みみずのたはこと』(岩波文庫)の「都落ちの手帳から」でも読まれたらと思います。
-WHO 2019年5月ご報告- 「昔も今も高級住宅地、田園調布」
5月25日は、よく言えば、五月晴れで運動会日和でした。ただし、全国的に真夏日、外出はなるべく避けろとの予報。参加者は、30人。最初にコースの短縮を宣言しました。
旧駅舎をバックに写真を撮ってから、放射状の道を北へ、宝来通りを左折、並木が暑さを和らげてくれます。良い住宅地です。「宝来公園」は、南下する多摩川が生んだ河岸段丘。豊かな自然。カブトムシやクワガタが捕れそうな樹木が繁ります。いったん下って、再び上ったところが「多摩川台公園」。ここは、多摩川の流れに沿って東西に延びる丘。北は住宅地、南は国分寺崖線、足下に雄大な多摩川が蛇行し、遠くに富士山、箱根、丹沢の山並みが望めます。アカマツ、ケヤキ、ナラ、クヌギなど武蔵野の面影を残す林を歩きます。
園のもう一つの見どころは、10基の古墳群。関東地区では最も古い4世紀前半に造成された宝莱山古墳、多摩地域最大の亀甲山古墳に挟まれた、番号の付けられた8基の小型古墳が一列に並びます。稲作を始めた古代人たちの首長のものとされています。多摩川の水と肥沃な地、南向きの丘、古代においても快適な住宅地だったのでしょう。管理事務所の一部に古墳展示室があり、出土品や模型、解説でタイムスリップの時をもてました。各地に残る古墳の形状と規模が展示されていましたが、世界歴史遺産で話題の仁徳稜の大きさには驚きました。ここは、子どもでも自由に入場できます。園内には自由広場、水生植物園、薬草園もあり、変化に富む地形、住宅地に隣接してこんな遊び場がある田園調布の子どもたちは恵まれていると思いました。
いったん多摩川堤通りに下り、15人ほどが元気いっぱい北条政子ゆかりの「浅間神社」に上りました。
ここから田園調布駅まで歩く予定でしたが取りやめ、かつて温泉もあり遊園地として賑わった「多摩川園」の跡地で、整備中の「田園調布せせらぎ公園」の緑陰を縫って散策し、通常よりも1時間以上早く、多摩川駅で解散しました。(吉田)
田園調布旧駅舎 |
住宅地の中にある宝来公園 |
田園調布旧駅舎 |
住宅地の中にある宝来公園 |
多摩川台公園 |
多摩川台公園から、蛇行する多摩川 |
多摩川台公園 |
多摩川台公園から、蛇行する多摩川 |
【WHO今後の予定】2019年9月28日(第4土曜) 多摩地区の公園の秋 *7月8月は夏休みです。
※さまざまな事情で予定が変わることがあります。『WHOリポート』か新着情報でご確認ください。