杉並
【ウォーキングのご案内】風と緑と清流「三鷹の国立天文台」(WHO)9/28
「ウォーキング・ホリデー・オギクボ(WHO)」は、月に1度、東京近郊を歩く会です。 健康作りや仲間作りを目的に1997年に開始。以後20年余、会員ボランティアが中心となって、欠かさず開催しています。
第232回となる2019年9月は、「三鷹の国立天文台」を歩きます。
どうぞお気軽にご参加ください。
==【2019年9月のご案内】==
三鷹の国立天文台。当然、空は澄んでいますが、空気も爽やかです。深い森、広い敷地に、大正時代以降に建てられた建物が点在しています。
世界に誇る日本の天文学、その中核の研究本部です。展示を見て、凄いとは思いますが、スケールの大きさに圧倒されます。あのガリレオ・ガリレイが用いた望遠鏡の精密複製があります。覗ければ、彼が観て、思いを広げた天体を追体験できるはずです。
周囲は、国分寺崖線に沿う野川流域。清流あり、畑あり、稲穂あり、水車農家あり、どこを歩いても心地良いウォーキングコースです。
国立天文台 大正10年建造の第一赤道儀室 |
ガリレオが製作し観測した望遠鏡の精密複製 |
国立天文台 大正10年建造の第一赤道儀室 |
ガリレオが製作し観測した望遠鏡の精密複製 |
【日にち】2019年9月28日(第4土曜) 9:45~15:00頃
【コース】JR中央線武蔵境駅⇒南口⇒<バス>⇒天文台前⇒国立天文台(第一赤道室・天文台歴史記念館・太陽系ウォーク・アインシュタイン塔・資料館など)⇒野川⇒大沢の里(水車経営農家・田んぼ・ワサビ田・古民家)⇒龍源寺バス停⇒<バス>⇒中央線・三鷹駅(途中乗り換えて京王線・調布駅北口へも)
*当日、コースの一部変更をすることもあります
【集 合】JR中央線武蔵境駅の改札前付近 9:45
【解 散】龍源寺バス停留所 15:00頃
【持ち物】弁当、飲料、日除け用品、敷物、名札。
*スマホやタブレットPCを持参すると音声ガイドが利用できます。
*弁当は必ず出発前に用意してください。天文台付近には購入できるところがありません。
【参加費】300円
*初参加の方は、名札代200円別途。
*施設入場料、交通費は別途
【問合せ】東京YMCA杉並センター
*事前の予約は不要です。現地に集合ください。
*ご不明な点などありましたら、下記フォームからご連絡ください。
【今回のみどころ】
国立天文台:東京天文台が関東大震災後の1924(大正13)年、麻布からに現在地に移転。国立天文台となったのは1988(昭和63)年。国内外で観測、研究を行い、ここ三鷹キャンパスはその中核。深い森、芝生広場など広い敷地に、近代的な研究施設と大正時代以降の歴史的建造物が点在している。
国の重要文化財1、匡登録有形文化財10。
天文台歴史資料館として公開されている大赤道儀室は、1926(大正10)年の建造。高さ19.5mの木造のドーム。口径65㎝の屈折望遠鏡は、屈折望遠鏡としては日本最大、現在は引退。1921(大正10)年建造の第一赤道儀室はここでは最古。子午儀資料館のレプソルド子午儀は、麻布時代に時刻決定や緯度測量に用いられたもの。
大沢の里:国分寺崖線(ハケ)とそれに沿う野川にあるエコミュージアム(生活空間をそのまま博物館と捉える)として、古民家、田んぼ、水車経営農家があり、武蔵野の農村の原風景を残す。水車経営農家には江戸時代に造られた大型水車、養蚕用具がある。古民家と共通入場料は200円。
ほか、みどころ詳細はこちら⇒
-WHO 2019年6月ご報告- 「徳冨蘆花が遺した"武蔵野"」
6月22日は、都立祖師谷公園で、時節の花を楽しんだ後、徳冨蘆花が、自ら"美的百姓"として晩年を過ごした都立蘆花恒春園などに、武蔵野の面影を求めるコースでした。
内心、暑いよりは小雨の方が良いと思っていました。京王線千歳烏山駅を9時25分に29人で出発したら、早くもポツリと来ました。都立祖師谷公園は、さして大きな公園ではありません。最後に寄った200坪ほどの三角花壇が見どころでした。丈の高い濃い花のスカシユリなどの園芸種が、投げ活けのように調和していました。目をひいたのは、米国原産のアジサイの一種、「アナベル」という手毬のような"花"。大きく重量感があり、思わず掌に受けて重さを確認する人がいました。
武家屋敷風と言われる世田谷百景のひとつ、安穏寺に立ち寄ってから蘆花恒春園に入り、それぞれ小雨を避けて弁当を開きました。
休憩後、花の丘を巡り、蘆花が明治40年に購入した15坪の萱屋、その後に移築した家屋、夫妻の墓所を、公園スタッフの手際のよく、判りやすいガイドで見学ができました。
蘆花の没後、土地、建物とともに、愛子夫人が整理した原稿、写真、農機具、遺品など一切を東京市に寄贈し、それらを活かして建てられた資料館で、蘆花の生涯、業績とともに、その時代に想いを馳せました。
訪問した客が辞する時、蘆花がそこまで見送ったと書かれている粕谷八幡神社の「別れ杉」の切り株を見てから、公園名を駅名の由来とした、京王線芦花公園前駅に向かい、世田谷文学館で解散しました。天に想いが通じたのか、解散まで、傘を差したり、すぼめたりでした。と書くといかにも淀むことなく整然と歩いたようですが、事実は失態がありました。恒春園の最後に肝心な蘆花記念館に寄るのを失念。本橋家の竹林で気づき、戻りました。反省!
蘆花が愛した粕谷の地の雑木林、耕地、田川、野道は、昭和40年頃までで消えてしまいました。蘆花の時代を伝えるものは、彼が命名して遺した「恒春園」と、著作『みみずのたはごと』の著述、小さな神社でしょうか。(吉田)
アメリカ原産のアジサイの一種アナベル(祖師谷公園) |
徳冨蘆花が最初に購入した農家(蘆花恒春園) |
アメリカ原産のアジサイの一種アナベル(祖師谷公園) |
徳冨蘆花が最初に購入した農家(蘆花恒春園) |
【WHO今後の予定】2019年10月26日(第4土曜) 国立の緑地とキウイ農園
※さまざまな事情で予定が変わることがあります。『WHOリポート』か新着情報でご確認ください。
【9月「風と緑と清流、三鷹の国立天文台」みどころ詳細】
国立天文台:
歴史: 日本で継続的に天体観測を始めたのは江戸後期、浅草蔵前にあった幕府の天文方。国立天文台の前身の東京天文台は1888(明治21)年に麻布飯倉に創設、星の観測によって、経緯度の決定、暦の計算や時間の決定などを行った。関東大震災後の1924(大正13)年に現在地に移転。国立天文台となったのは、1988(昭和63)年。現在は、目的に応じて三鷹、水沢、野辺山、岡山、石垣島、ハワイ、チリで観測を行い、今回の訪問先は、観測や研究の中心となる研究所で三鷹キャンパスと言われる。2004(平成16)年から、正式名称は、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台となった。
立地:豊かな自然に囲まれ、新たな研究施設に加え、大正時代以降の国有形文化財に指定された建物が点在している。国分寺崖線の上に位置し,森林、広場を有する。構内伊行内全域から旧石器時代から奈良時代までの遺跡がある。
見学施設:スマフォやタブレットPCで音声ガイドを利用できる。
第一赤道儀館は、1921(大正10年)建造。ここでは現存最古の建物で、国登録有形文化財。
赤道儀とは、天体の動き(日周運動)に合わせて星を追尾できる架代台のこと。ここでは、1時間半ほどの天体の追尾が可能。
大赤道儀室(現・天文台歴史資料館は、1926(大正10)年の建造の国登録有形文化財。高さ19.5mの木造ドームには、船底を造る技術を持つ造船技師が協力した。中央にある口径65㎝の屈折望遠鏡は、屈折望遠鏡としては日本最大のものだが、現在は引退している。地動説を唱えた天文学者ガリレイ・ガリレオが自ら製作し、観測した望遠鏡が精密復元されて、展示されている。彼が観測したものと同じ能力を持っていて、彼が覗いた天体を追体験できるはず。
子午儀資料館は、1925(大正14)年建造。当時流行したセセッション建築の特徴をもち、国登録有形文化財。入り口付近からの見学。レプソルド子午儀は、1880(明治13)年のドイツ製、麻布時代から用いられ、日本の天文史上貴重な望遠鏡で、国の重要文化財に指定された。
子午儀とは,真北から真南にのみ移動する移動する観測装置で,時刻の決定、経度測量に用いられる。
太陽塔望遠鏡(アインシュタイン塔)は、1930(昭和5)年建造の国の有形登録文化財。アインシュタインの相対性原理を顕彰するため、ドイツのポツダム天体物理観測所と同じ構造と機能を有するため、通称となった。
「星と森と絵本の家」は三鷹市が運営する。天文台の旧官舎を活用した古民家風建物で、子どもたちが天文に興味を持つ展示がある。
構内では、週日は、食堂を利用できるが。今回は休憩室で昼食を摂る。入場無料
国分寺崖線(ハケ):古代多摩川が次第に南西に移動する過程で、武蔵野段丘と立川段丘の間の崖線が、国分寺崖線と言われる。立川市砂川から、国分寺、小金井、調布・深大寺から成城を経て、世田谷野毛に続く。崖下の砂礫層から豊かな水が湧き、動植物を育んでいる。
野川:国分寺恋ヶ窪、日立研究所の湧き水を水源とし、ハケの清流を集めて、二子橋で多摩川に注ぐ一級河川。
大沢の里:三鷹市のエコミュージアム(人々の暮らしの空間をそのまま博物館として捉える)構想として生まれ、自然観察道、竹林、雑木林、ワサビ畑、田んぼ、水車経営農家、古民家のある空間。農村であった三鷹の原風景をとどめている。
旧箕輪家住宅主屋:この地でワサビ栽培を始めた箕輪家が1905(明治35)年に建てた当時の典型的な四つ間取り農家。同家の寄贈を受け、三鷹市が解体し材料を活かして、現在の法規に適合する、昭和25年~50年頃の佇まいに復原した。
水車経営農家:1808(文化5)年に造られた水車が動かせる状態で、水車経営農家であった時の「暮らし」とともに保存されている。峰岸家の「しんぐるま」の別称があるのは、付近に6軒ほど水車農家があったことから。平地における水車の特徴をもち、精米(精麦)製粉用水車としては全国でも最大級。ボランティアガイドから、詳しい説明が聞ける。
古民家と共通入場券が200円。
国立天文台 構内の森林 |
大沢の里水車経営農家の水車。表が杵と搗き臼 |
国立天文台 構内の森林 |
大沢の里水車経営農家の水車。表が杵と搗き臼 |