私たち東京YMCAは、「青年」という言葉を生み出し、「たくましい子どもたち、家族の強い絆、支え合う地域社会」を築くための運動を展開する公益団体です。

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南・西東京

【実施報告】多文化理解講座

「外国にルーツのある子どもたちの現状と課題」そして私たちができる支援の一つとしての「日本語を教える」ということについて、6月15日と7月13日の2日間に渡り、東京YMCAにほんご学院講師の仲山淳子先生による講演会を開催しました。2日間の参加者は延べ対面32人、オンライン53人が共に学びを深めました。
外国にルーツのある子どもたちが日本で暮らす中での障壁として、「言葉の壁」「制度の壁」「心の壁」があると言われています。今回の講演は、そのことを多くの人に知ってもらうことにより、私たちがスタートした「サニーサイド(にほんご・学習サポート)」を一緒に作っていってくれる仲間を増やすこと、地域社会の中に理解者を増やし、心の壁をなくしていくことを目的としました。

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講演の中では、子どもたちは自分で選んできたわけではなく、親や家庭の都合により、友だちや好きな習い事に別れを告げて日本にやってきて、色々な葛藤を抱えている場合があることを理解する重要性が伝えられました。異なる文化習慣や多様な家庭環境にある子ども1人ひとりの事情に合わせて寄り添うこと、また日本で暮らしていくために日本語を学ぶ大切さと同時に、家族間でコミュニケーションをとるためにも母語や母国文化も大切にする必要性があることなど、ルーツを尊重する重要性についても話がなされました。

たくさんの課題があげられ、今すぐに解決できることだけではありませんが、理解してくれる仲間を増やし、できることを一つひとつ丁寧に行っていくことが、私たち(さんかく)に求められる役割だと感じています。

終了後のアンケートでは、内容についてだけではなく、「大人・子どもともに共通するのは相手を尊重する事だと思いました。子ども・大人ともに日本で暮らす外国の方や外国にルーツのある方にとっても暮らしやすい日本になるように、自分のできる事をしたいと思いました。」「国籍や性別、身体的特徴など、多様性を受け入れ、理解しようとする事が大切だと思いました。」「外国人バイアス、というのか、異文化に興味がないゆえに起きる、摩擦を減らせるような試みを常日頃から続けていきたいです」といった声が寄せられました。

多文化理解講座では、外国にルーツのある子どもたちのことだけでなく、生きづらさを抱えた若者や障がいを持つ方々についての課題も地域社会の人と一緒に考えていくことを予定しています。講演がきっかけとなり、誰もが生きやすい社会の実現に一歩でも近づくことができればと願っています。

多文化共生スペース▽(さんかく) 江尻明子