ご報告
震災から15年、福島で向き合う「復興」への問い ― 東日本地区スタッフ研修会報告 ―
「復興とは何か」
その問いに、簡単な答えはありません。
ひとつの決まった答えがあるのでもなく、10人いれば10通りの答えがあり、それも時間や置かれた状況によって変わってくることもあるでしょう。
2月17日から19日の3日間、「東日本地区スタッフ研修会」が福島県双葉町・富岡町・浪江町で開催され、東京YMCAから8人の職員が参加しました。
現地の方の言葉や風景、講師による講義を通して震災の記憶や現状に触れ、YMCAの使命や働きについて改めて考える時間となりました。
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東日本大震災・原子力災害伝承館では、震災で家族を亡くされた語り部の方のお話を伺いました。また、双葉町や請戸漁港を訪れ、震災の爪痕が残る風景と、新しい住宅が建ち始めている町の姿の両方に触れました。復興が進んでいるように見える一方で、そこに暮らしてきた人々の複雑な思いや課題にも目を向けることとなりました。
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震災から15年が経った今も、福島では多くの「問い」が残されています。
「復興とは何か」「誰のための復興なのか」
今回の研修は、その問いへの答えを見つけるためのものではなく、問い続けることの大切さを学ぶ機会となりました。
<参加した職員の声>
語学教育職員
東日本地区YMCA職員研修会に参加し、被災された方や牧師のお話を伺いました。特に印象に残ったのは「真実は常に灰色の中にある」という言葉です。遠くから見れば白黒つけて判断できることも、現場に立つと単純には割り切れない現実があるという意味です。
双葉町では、新しい住宅街が整備される一方で、かつて賑わっていた商店街は手つかずのままで、同じ町とは思えない風景が広がっていました。復興の明るい面だけでなく、その陰にある課題にも目を向けることの大切さを感じました。まずは現状を正しく知ることが、自分にできる第一歩だと感じています。
本部事務局職員
壊れた建物が取り壊され、新しい家が建ち、移住してくる人々を迎えるなど、前向きな復興政策が進んでいるように見えました。しかし、その地で生まれ育った方々にとって、それは本当に「復興」と言えるのだろうかという疑問も感じました。
研修の中で聞いた「真実は常に灰色の中にある」という言葉は、私たちの日々の働きにも通じると感じました。現場に近づくほど判断は難しくなり、遠いほど判断しやすくなる。だからこそ、決めつけや強要ではなく、時間をかけて向き合うことの大切さを学びました。
また、福島が地震・津波・原子力という三つの災害に見舞われたこと、そして原発事故によって捜索が困難になった地域があることにも思いを巡らせました。電力を利用してきた私たち自身も、この問題と無関係ではないことを忘れてはならないと感じました。
児童高齢者交流プラザ職員
震災当時、私は募金をすることしかできませんでした。「もっと何かできたのではないか」という思いが、今も心に残っています。
今回の研修は、福島の現状を知ると同時に、当時の自分自身と向き合う機会にもなりました。復興という言葉のもとで進む町の変化が、すべての人にとって望ましいものとは限らないという現実にも触れました。
「真実は常に灰色の中にある」という言葉を胸に、今回学んだ福島の現状を風化させることなく、周囲の人々にも伝えていきたいと思います。その小さな行動が、"何かがみつかり、何かへつながり、よりよくなっていく"ことを信じています。



