杉並
【活動報告】「野川下り」シリーズ第1回 武蔵國分寺、小金井の源泉から
「野川下り」シリーズが始まりました。快晴の4月23日、JR西国分寺駅に集合したのは、54人。ほぼ想定内。初参加の方が9人には驚きました。恋ヶ窪用水に沿います。これは玉川上水から1657(明暦3)年に分水し、野川の源泉のひとつ姿見の池に注いでいます。水路の幅は1m弱ですが、川底まで明るい陽光が差し込み小さな魚たちが動き回っていました。姿見の池の湧き水は確認できませんでした。池にまつわる悲恋の伝説もあります。何かの事情で池は埋められ、地図から消えていましたが、復元した後に東京都の「名湧き水57選」に指定されました。
野川の源流のひとつ、西国分寺の「姿見の池」 |
日立製作所の森。標識のあたりから源流が流出。説明を聞く。 |
野川の源流のひとつ、西国分寺の「姿見の池」 |
日立製作所の森。標識のあたりから源流が流出。説明を聞く。 |
東へ進むと、大きな樹木の森に突き当たります。ここは20万㎡という日立製作所中央研究所の敷地です。銀行家の別荘でしたが、昭和17年に日立が購入し、森を守り、複数ある湧き水を大池に集め、これが、野川の主要水源のひとつとなっています。毎年春秋の公開は中止されています。代わりにゆかりのある樋口順英さんに解説をお願いしました。
國分寺駅付近でJR線路の南側に渡ると、一帯は南向きの斜面の國分寺崖線、いわゆるハケです。典型的な地形が判るのが、国の名勝に指定されて今年が10年目の殿ヶ谷戸庭園。しかし50人超えの昼食はムリ。予定通り隣接の子ども公園で11時から45分の昼食時間としました。
食後、庭園を自由散策。大正初期に実業家が建造。昭和4年に三菱家の所有となり、築造整備された回遊式林泉庭園。武蔵野台地傾斜地にあり、國分寺崖線の崖地と崖下から清水が湧出しています。東京都が買い上げ、都立庭園として管理、改善をしています。筍に勢いがある竹林や岩組みの水の流れに涼を感じつつ時を過ごしました。
54人は意気盛ん、最後まで歩くことになり、長い坂を下り鞍尾根橋から念願の野川につきました。日立構内から流れ出た水の最初の押切橋から、ここまで、8橋ありますが、流路が曲がりくねり、人家が川に接近し沿道がないため、大勢の歩行には適せず、また暗渠部分もあるため、省略しました。東京経済大学のキャンパスにも湧水のある新次郎池や緑の回廊と呼ばれる見どころもありましたが、今は公開中止のためパス。それでも沿道の多彩の花々、モミジなどの若葉の緑の初々しさに目を奪われつつ、最終目的地の湧き水で名高い貫井神社に到着。境内を改造中でしたが、こんこんと湧く水を両手ですくい、塗り立ての赤い橋を入れての記念撮影。思い返せば、関喜一郎さんは「神田川下り」以来のカメラマンです。
武蔵小金井駅まで、まだまだ歩けそうでしたが、無理はせず、予定通り小金井街道・貫井大橋で解散し、路線バスを利用しました。
(吉田)
小金井の湧き水で名高い貫井神社。参加者54人。 |
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